この講座で植物生態系を記すのには理由がある。
 ランの育種は1853年、英国のドミニー博士によって・・・人間による最初の発芽に成功により始まる。
 この成功はヒマラヤのエビネ自生地の生態系を・・・鉢に再現したことである。
 ラン菌との共生による発芽である。
 1922年ナドソンがランの無菌播種に成功するまで、サンダースリストに記載されている品種は、
 この生態系再現によって行われたものである。
 この素朴な????21世紀の現在は世界最先端の生態系研究が・・・・
 近代科学の無菌培養法に追われ、それからの100年は、ラン栽培に限らず、園芸も農業も、
 近代科学から栽培法は構築されて、いつの間にか、もっとも重要な生態系が、
 園芸で、農業でクローズアップされることはなかった。

 多収穫を目標にした場合、生態系への視点は削除し、化学肥料を与えたほうがコストがかからないからである。
 このまま進めば・・・地球が危うい・・・・
 そういう視点が近年生まれてきた。
 生態系が重要視されてきたが、ラン界の歴史をみれば、
 ドミニー博士の・・・鉢の自生地の生態系を構築し思想、技術は、
 もう一度見直す必要がある。

 なぜなら、その技術はラン菌による炭素循環の技術だからである!
世界の蘭界は植物多様性で生きてきた業界である。
新種の発見。
ランに26000お原種があるから・・・・好奇心が続く・・・・。
次から次にランを渡り歩いても、何十年かは愛好家でいられる。
西欧の大航海時代から・・・秘境の地は探索されつづけてきた。
珍しいランは・・・現在日本の愛好家にコレクションされている。
ここで・・・浮上してきたのが多様性のDNAの保存である。
この多様性は・・・ちょっと前までは、人の共通のものと認識されてきた。
ところが・・・・2010のCOP10の世界会議が名古屋で開催され、
多様な遺伝子は自生地の国のものということになってきた。
国によっては・・・・大航海時代にまで遡って、利益を得た国、企業に・・・
利益配分を請求するという話にまでなってきた・・・。


7つの海を支配した英国は、世界中から植物を収集してキュー植物園で栽培した。
愛好のためではない。
帝国に利益をもたらす産業になる植物を探索するためである。
ゴムの木からゴム。
マラリアの特効薬キニーネ。
あまりにも有名な話である。
現在でも医薬品の探索が行なわれている。


植物に多様な種があるということは、地球上のエリアに大きな変化が有り、
そこには多様な生態系があるということ。


 生態系学。
 近年新しく出来た学問である。
 この生態系の多様を究明しようとすれば、解かったつもりのものが、
 実際は殆ど解かっていなかったことがあまりにも多いということのようである。

 近頃の話題では・・・・シーラカンスの幼魚をインドネシアで撮影に成功。
 アフリカの海でなくインドネシアの海にも、シーラカンスが3億年も生存出来る生態系があったという事実。
 3億年継続された生態系とはどんなものか????
 ウナギの産卵場所が特定された。
 そこにはどんなウナギを育む生態系があるの????
 ランの自生地でのプロトコームの生態系。

  ランでは無菌培養出来るから、フラスコの培養基上でのプロトコームは観察出来るが・・・・
  自生地での発芽からプロトコームの生態系は・・・実は殆ど解かっていない。
  SUGOI-neの発芽成功で、ようやく自生地に近い生態系がわかってきた。
  枯れ落ち葉、植物死骸、それを分解する好気性菌(材木腐朽菌)、湿度、温度などが
  ようやくわかってきた。そこには材木腐朽菌による炭素循環があることがわかってきた。

  
自生地で誰もランの種子発芽→プロとコーム→葉の発生・・・
  是を、追跡研究した者はいない。
  テレビのカメラも受粉から種子→種子飛散までは捉えているが、その種子がラン菌と運命的な出会いと
 プロトコーム発生まで記録したものはない。

 ラン菌が生息しないエリアではランは発芽できない。
 つまりラン菌がいないところはランの自生地になりえない!
 こういう生態系が削除され、最も菌の種類が単純な水ゴケ、バーク、軽石で栽培してきた。
 
 つまりランの花が虫を誘う狡猾な姿は捉えても、生命のスタートを捉えていないのである。
 ラン栽培上盲点は、ランの多様な生態系が解かっていないということである。
 解からないまま、今日まで、ラン菌を削除した水ゴケ、バーク、軽石などで、肥料で作ってきたということ。
 自生地では・・・誰も肥料などやらないのに・・・・。
 シーラカンスの生息する海の生態系が・・・壊れれば・・・・絶種する。
 是はどんな生物にも当てはまる!
 しかし、私達のラン栽培場は、この生態系など無視。
 だから・・・ランは枯れてゆく・・・・・
 だから・・・・輸入というビジネスも成立するが・・・・・
 しかし、重要なことは、現在の栽培法では・・・自生地を再生できないということである。
 だから、クマガイソウが一本枯れれば、日本の山から確実に一本消滅したということになる。
 クマガイソウの生態系が解からないから・・・・こういうことが起こる。

 これからのラン栽培、植物栽培は、自生地の生態系を・・・どうやって再現するか。
 そういうことに焦点を合わせて行うことであろう。

環境破壊。
この言葉が近頃盛んに使われるようになった。
この環境破壊とは、生態系破壊なのである。
ランを乱掘して一度絶種させると、この場所は二度とランの自生地になることはない。
なぜか????
ランの絶種は・・・同時にラン菌の絶種だからである。
ランの生態系の破壊は、ラン菌の生態系の破壊だからである。
簡単に言えば・・・環境が変化、又は破壊されてマツタケが生えなくなった山は、
人間の手では元通りに再生できないということ。
菌はしたたか・・・であるが・・・・非常に環境の変化に敏感な生き物である!

この理由で、これまで、ラン菌は生きている用土を誰も開発出来なかった!
SUGOI-neで初めて・・・人間の手で鉢内にラン自生地の生態系を構築できるようになった!

SUGOI-ne栽培で大成功するには、
ラン栽培より先に、ラン自生地のラン菌が生きている生態系を鉢内に作り上げなければならない。
こういうことが、これまでのラン栽培にはなかった。
こういうことが書いてある本は世界中に一冊もない。
つまり、この200年の間に出た本は、全てランの生態系を視野に入れないで書かれたものである。
ラン菌の生きていない水ゴケ、バーク、軽石などに・・・
他の植物と同じように肥料を与えて栽培するという・・・ランからみればとんでもない暴挙が行われて来た。
SUGOI-ne以外の用土では、自生地を再生できない。
このために、一部の人がラン自生地再生を試みても、全て失敗挫折してきた。

ラン科植物は、このために山に「植林」????出来ないのである。

ラン用の肥料。
こういう肥料が販売されている。
本当にラン用なのか???
ランも植物だから・・・・他の植物に効くものが・・・・たまたまランにも効果が見られたのではないか????
ラン用というからには、ラン菌に効果があるというものでなければならない。
ラン菌の削除した状態での試験ではラン用と特化できない。
換えていえば、植物必須元素なら、どんな植物にも効果が見られるということ。
しかし・・・植物必須元素を山に与えても、ランの自生地は再生できない。
それを与えてもランの生態系を構築出来ないということである。

SUGOI-ne栽培では、鉢内にランの生態系を・・・どうやったら作れるか・・・この技術が要求される。
この講座で勉強していただきたい。
中には・・・こんな面倒臭い技術が必要なら・・・・水ゴケでよい!
そういう人もいるようであるが・・・・そういう栽培は・・・ランを泣かせる愛好である!
リンネが神が創ったもののリスト作成を始めたときから、
 植物、動物の多様性は・・・新種の発見の積み重ねによって、クローズアップされてきた。
 なぜ????・・・こんなに多くの植物、動物・・・が地球に生息しているのか???
 現在も新種の発見は大きな話題になる。
 ラン界では・・・特に大騒ぎする。
 この新種の発見は、飽くまでも植物の多様性に焦点を当てたものである。
 
 科学と技術。
 日本では、科学と技術は別物ナのであるが・・・一緒、混同している。
 科学は研究者の興味、探究心で行われるが、技術はある目的を達成するためのものである。
 ランの多様性・・・新種の発見は興味、探究心で発見されるが、
 この新種を栽培するには技術が必要である。
 この技術の基礎になるのが生態系の多様性である。
 ランは菌根植物。

 新種への焦点とは別に、近年大きくクローズアップされ、新しい学問になりつつあるのが「生態系の多様性」である。
 多様な植物を絶種させない保存するには、生態系の究明が重要なのである。
 植物の生態系の多様性はなぜ生まれたか???
 杉の自生地の生態系と松の自生地生態系の違い。
 共生する菌にも焦点を当てた生態系。
 
 植物は自分で生きるためのエネルギーを作っている。
 是を光合成を言っているが、植物が育ちを左右するのは、光合成を多く出来るか、出来ないかということである。
 光合成の多少を支配するのは、是まで、環境・・・土壌、養分、日照、水分、温度などといわれ、
 ベストな条件を研究されてきた。
 この条件が明らかになった作物が植物工場、水耕栽培などに用いられている。
 あくまでも人工的に作られた条件下での栽培である。
 しかし、自然界は、光合成がベストに行なわれる条件が整うことは殆どない。
 2010年夏の猛暑。
 これを異常気象と呼んでいるが、自然界は異常の連続である。
 この中で植物は生き続けてきた。
 光合成で作るエネルギーが、100%満足という日は殆どないに違いない。
 そういう耐乏生活であるが、植物は生き続けてきた。
 屋久島の大王杉は7000年耐乏生活でも生きてきた。
 なぜ、ベストでない光合成条件でも生きられたのか?????
 是まで研究されてきた環境・・・土壌、養分、日照、水分、温度などの条件と異なる条件が関係しているのではないのか????
 こういう疑問が生まれた。
 生態系。
 生態系が関係しているのではないか????
 悪環境条件に遭遇したとき、移動できない植物は、即、光合成の不足に陥るが、
 それを補うものが自生地に構築されているのではないか・・・・
 微生物が・・・・光合成の不足分を・・・補完しているのではないのか・・・・
 又は、光合成を悪条件下でもより活発化しているのではないか???
 それは、個々の微生物ではなく・・・・多くの微生物が自生地の環境条件下で、・・・
 ネットワークを構築して行っているのではないのか・・・・・。
 このネットワーク!
 このネットワークという考え方が・・・新しい研究として生まれてきたのである。

 この「ラン菌による炭素循環栽培法」は、植物の生態系から構築した栽培法である。
 陸上の植物の生態系に共通するものは何か????
 それが、光合成、植物の生育、生存に深く関与しているのではないか・・・

 宇井清太が焦点を当てた植物は「腐生ラン」である。
 葉を持たない植物「腐生植物」。
 この植物群は、現在の植物栽培技術では栽培できない。
 土壌、養分、日照、水分、温度など研究しても栽培不可能である。 
 自然界では腐生植物は生存しているのに、なぜ栽培できないのか????

 何が足りないのか????

 鉢に、栽培現場に腐生植物自生地の生態系が欠如しているから栽培出来ないのではないのか???
 この講座は・・・・この疑問がスタートである。
 
 ラン
 最も進化した植物である。
 この進化は生態系の多様化である。
 地球上の殆どエリアにラン科植物は約26000種が生息する。植物の多様な進化である。
 種の多様化は生態系の多様があって・・・生存している。
 しかし、この生態系の多様なラン26000に共通しているものがある。

 
菌根を持つ植物であること(ラン菌との共生)。  
 必ず枯れ落ち葉、植物死骸がある場所に自生していること。
 好気性菌の材木腐朽菌が炭素循環を行っているところに自生していること。

  枯れ葉、植物死骸(リグニン、セルロース)→材木腐朽菌(分解)→糖、糖質→共生菌が根に運ぶ→光合成不足分を補完
 
 ○ 腐生植物(腐生ラン)は100%このシステムの中で生きている。
    鉢にこのシステムが構築されていないと栽培不可能である。
 ○ 葉のあるランは、ラン菌は光合成の不足分を補完している。

  
光独立自養植物であっても・・・葉のあるランと同じようなシステムで生存している可能性がある。
  つまり屋久島の大王杉が7000年生存できたのは、屋久島にこのシステムが構築された生態系があった。
  そういう推察である。
  
  
 

 ラン科植物の生態系を考察すると、必ず上記の三つの条件ある。
  植物も動物も菌類も、一つの種が生命を維持し種を継続させるには、そのエリアに生息する生物と、
 複雑なネットワークを構築しているということである。
 このネットワークは種によって大きく異なっている。
 生態系が多様であるということである。
 熱帯雨林の生態系と・・・・ツンドラ地帯の生息する植物の生態系は異なる。
 そこに住む昆虫も菌類も異なる。
 植物が生きる上で、昆虫も・・・菌類も無関係ではなく・・・ネットワークが構築されている。
 このネットワークは地球に生命が誕生してから約40億年かけて創り上げられたもの。
 この生態系はあまりに複雑であるために・・・これまで研究が行われなかった。

 しかし、この最も複雑な生態系の中で生きているランを、
 栽培するとき、最も生態系の単純化を行ってきた。
 水ゴケ、バーク、軽石には、ラン自生地の前記の三つの共通点がない。
 それに肥料を与えて作る。
 是で、ランは光合成を行う・・・・という栽培である。
 本当にこれで充分な光合成が行なえるかということである。
 作落ち。
 株分けしたときの極端な衰弱。
 是を防ぐ技術は現在用土で栽培する限りラン栽培にはない。
 鉢に自生地における生態系がないからである。
 光合成の不足分を補完するものがないからである。
 ラン自生地の生態系を完全に削除した栽培が行われて来たのである。
 近頃、光合成を活発化する「薬品」???が販売されているが、
 本当にそれが効果があるのであろうか????
 
 ラン栽培は難しい。
 蘭園を大きくすると・・・・破綻が待っている!
 是は、生態系削除からでている。
 こういうことは、山野草栽培で2,3年で絶種する・・・。
 作物栽培の病気の多発。 イヤチ。 連作障害・・・・
 いづれも植物の生態系削除栽培の弊害である。

 胃潰瘍のピロリン菌。
 この菌が胃潰瘍、胃癌を誘発するという発見は、革命的な発見で、当然ノーベル賞である。
 この菌が発見されるまで、胃潰瘍の原因は、ストレスで胃の粘液が切れ、強酸性の塩酸が壁を痛める?
 タバコ、酒・・・・・過労・・・・精神不安・・・などが原因とされていた。
 誰も胃の中に住むピロリン菌に研究の焦点を合わせなかった。
 ピロリン菌の存在を知っていながら・・・。
 人間の生態系学がなかったからである。
 世の中には天才がいるものである。
 胃潰瘍患者に共通する菌。
 是に焦点合わせた天才がいた!


 ラン菌(材木腐朽菌)による炭素循環栽培法は、植物生態系から構築された栽培法で、
 最も新しい視点で、この講座は行っている。
 陸上に自生する植物の生態系に共通するものはなにか????
  
枯れ落ち葉、植物死骸。
  好気性菌の材木腐朽菌。
 この二つである。(ラン科植物は材木腐朽菌をラン菌として共生している)
 光独立自養植物はラン科植物のように、共生菌を飼っている菌根を持たないが、
 根圏には共生菌を持っている。
 又は、菌根まで進化していないが、根の組織に内生菌として飼っていることがわかってきた。

 この内生菌の働きが、近年までピロリン菌の働きが解からなかったように、現在も不明である。
 宇井清太の新ラン菌の発見と、用土SUGOI-ne栽培で、ようやく少しづつわかってきた。
 その実際例から考察してこの講座を行っていいる。

 これまでの本には書いていないものが多いのは、これまで、枯れ落ち葉を分解する好気性菌のことが、
 殆ど研究されてこなかったからである。
 
 19、20世紀の科学は、顕微鏡で見るよう視点で、自然の法則を究明してきた。
 植物では・・・・リービッヒの無機栄養理論。
 地球上の生息する多様な植物が生きるために必要で共通するものは何か????
 この研究から発見されたのが 植物必須元素16元素。
 これがあれば、地球上の殆どの植物は生きられるという発見。
 不朽の理論である。
 現在、これを疑うものはいない。
 水耕栽培も、植物工場も、将来宇宙での植物栽培も、この理論の培地で植物栽培されるに違いない。
 そしてその元素の中で窒素を与えれば、より早く生長するという発見。
 この発見で、植物栽培、作物の多収穫栽培が行われている。
 植物栽培・・・・イコール肥料、窒素・・・である。 是が植物栽培の原理原則までになっている。
 無機化学薬品の化学肥料でも元素からみれば同じだから、化学肥料が与えられてきた。
 是で、植物栽培は全て完成したかに見えたが・・・・・?????
 その弊害が現れてきたので生態系由来の有機農法なるもの、有機肥料、酵素肥料が開発されてきた。

 簡単に言えば、16元素が満足すれば・・・屋久島の7000年の大王杉が生きられるか???
 そういう疑問である。
 リービッヒの理論は正しいけれども、生き物の世界は、そう単純なものではないと言うことである。
 水耕栽培で屋久杉を7000年生かすことが出来るかという疑問である???
 屋久島という複雑な生態系があって、生き残ってきた・・・・
 そういう視点が近年生まれてきた。
 屋久島杉の根を培養して見ると・・・・何100という微生物、菌が生息、又は、共生していたということ。
 あげく、菌糸の中にバクテリアまで飼育している菌まで存在している。
 是までの研究というのは、この菌一つ、一つを分離して、その働きを調べるというもの。
 しかし、この研究では、なぜ7000年生きられた原因が解からない。
 土壌を分析しても花崗岩土壌ということ。
 花崗岩土壌なら全国いたるところにある。
 土壌の問題なら、全国いたるところに7000年の杉が自生していても良いことになる。
 しかし、どこにも自生していない。
 土壌条件のほかに別のものがあるのではないか????
 大王杉の周囲にはそれを育んだ生態系が構築されていて、7000年生きられたということである。
 そういう考え方生まれてきたということである。
 どんな生態系が構築されているのか????
 ランの生態系。
 杉の自生地には杉を育む生態系。
 松の自生地には松の生態系。
 椿には・・・・
 マツタケにはマツタケを育む生態系が構築されている。
 マツタケが年々生産量が減少している。
 里山の生態系が変化しているから・・・アチラこちらでマツタケ菌が生息できない事態になっている。
 ランも同じ。
 乱獲でランの自生地は壊滅に近い。
 一度破壊されたランの自生地を再生するのは、マツタケの自生地を再生すると同じように難しい。
 難しいというより不可能、絶望に近い!
 このように一度生態系が崩れると・・・・もと通りに再生復元するのは絶望に近い。
 こういう植物を愛好の対象にするのは、面白いけれども、多くの場合何年か後には枯れる。
 原種を保存するのは・・・難しい。 保存というは簡単であるが・・・・。
 そういうことで、昆虫、熱帯魚と同じレベルでランを栽培するのであるが・・・・
 ランの生態系はより複雑。
 この複雑生態系が・・・・殆どの本に書かれていない。
 多様な原種があれば、多様な生態系が自生地にあるということである。
 近年、屋久島の大王杉が、多くの菌の生態系の中で生きていることがわかってきた。
 リービッヒの植物必須元素の吸収のみでは、7000年の風雪に耐えることが出来なかったということである。
 自然は優しくはない。
 過酷な条件にあったとき、どうやって凌いできたかということである。
 このことはランでも同じである。
 森での、原野での負け組のランが・・・・猛暑、旱魃、豪雨、寒冷をどうやって凌いでいたかということである。


 ラン菌による炭素循環栽培法。
 着生ラン、地生ラン、腐生ラン、湿地ラン、高山、熱帯と多様な生態系を持つランに、
 リービッヒの必須元素のほかに、ランのみでなく、植物に共通するものはないのか?????
 生態系に共通するもの・・・・
 この検索から生まれたものである。
 この検索でラン科植物の「腐生ラン」が非常に多くの示唆を与えてくれた。
 植物の光合成というシステムの中で功妙に生きている葉を持つことを捨てた腐生ラン。
 こういう狡猾なエネルギー調達は、光独立自養植物であっても行っているのではないのか???・
 植物自生地の生態系の中では行っているのではないか???
 根圏に生息する材木腐朽菌は、ラン菌のように糖、糖質を供給する場合があるのではないか????
 過酷な気象条件下で光合成が満足に出来なかった場合に。
 こういうことが行われているから・・・屋久島の大王杉が7000年も生きられたのではないか????
 自生地で生育の遅い森の負け組み植物のランが生存しつづけることが出来るのは、
 肥料の問題ではない。
 植物必須元素を与えれば良い・・・・というレベルではない。
 枯れ葉を分解する菌の生息、菌との共生・・・・植物生態系の問題なのである。
 

 ラン菌と共生して生きるラン科植物は、
 生態系が菌との密やかなバランスの中で構築され、このエリアのみで生きられる植物である。
 しかし、実際のラン栽培では、自生地における生態系を再現する栽培は行われてこなかった。
 来なかったというより・・・むしろ・・・・生態系を無視して上手に栽培する方法が研究、模索されてきた。
 多くのランが・・・最も貧弱な生態系で生きる水ゴケで栽培されてきた。
 バーク、軽石・・・で栽培されてきた。
 温室の中に、鉢の中に自生地の生態系は・・・再現されていない。
 カトレアの生態系はどういうものなのか???
 パフィオの生態系は ????
 エビネの生態系は????
 ラン菌の生態系は・・・・?????
 ラン栽培は・・・・本当はラン菌の生態系から掘り起こして始めなければならないのであるが、
 水ゴケで・・・工夫すれば栽培出来たから、
 自生地でラン菌の生態系、ランの生態系の研究は盲点となっている。
 そういうことで、ラン菌が生きている用土の開発は行われてこなかった。
 ラン用の肥料は多く出回っているが、本当にランの生態系に合致したものなのか????
 
 ラン菌が生きている用土SUGOI-neの開発で・・・
 ランの生態系、ラン菌の生態系が浮上してきた。
 ランが元気に育ち、継続するには・・・・どんな生態系を温室に、鉢内に作ればよいのか??・・
 そういう根本の問題点が明らかになってきた。
 SUGOI-neは、これまでの栽培法でふれなかった・・・生態系の勉強という課題を提起する。

 つまり、ラン栽培が難しいのは・・・・
 ランの生態系を無視した用土で栽培しているからである。
 ラン園を大きくすると・・・・経営が破綻する!
 この原因と理由は、ランの生態系と乖離した栽培が大面積で行うからである。
 7000年生きてきた屋久島の大王杉を枯らすのは簡単である。
 周囲を破壊すれば・・・簡単に枯れるだろう。
 ランの温室というのは・・・ランの適地を作っているのではない。
 ランから見れば生態系が構築されていないエリアである。
 良く育つわけはない。
 大面積になればなるほど・・問題が大きくなる。
 そうして・・・大きな蘭園は姿を消した。


 これからのラン栽培は、自生地の生態系を再現する栽培である。
 少なくともラン菌が生きている用土での栽培である。
 自生地を再生できる用土での栽培である。
 どう頑張っても・・水ゴケ、バーク、軽石、ヤシ皮では自生地を再生できない。
 ランの自生地の生態系を構築できない用土である。

 こういう用土での栽培では、今後、これ以上のラン界の発展、隆盛はない。
 そういうことである。

 
 

 
 

 
植物の多様性と植物生態系の多様性
       
ランの育種はラン生態系の再現からスタートした。
      
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